モンテッソーリ教育とは

イタリア初の女性医師、マリア・モンテッソーリ（1870～1952）によって確立された教育法です。女史はローマ大学で学んだ医学、教育学をもとに、小さな子どもたちの姿を観察することで、この新しい教育方法を考えだしました。
1907年にモンテッソーリ教育法を導入した初めての保育施設｢子供の家（Casa dei bambini）」が開かれ、瞬く間に欧米を中心に世界各国に広がりました。子どもの自律を助け、社会に貢献する人を育てる平和教育として、現在でも世界中で多くの子どもたちを援助し続けている教育法です。

大切にしている４つのポイント

子どもを信じること

子どもは生まれながらに自ら学び育つ力を持っています。

大人はその子のありのままを尊重し、援助することが大切です。

子どもをよく観察し知ること

子どもの能力を最大限に開花させるためには、その適切な時期があります。それは子ども1人1人によって異なるので、観察し知ることでそのチャンスを見逃さないことが大切です。

子どもの環境を整えること

子どもは自分が置かれた環境をまるでスポンジが水う吸うように、自分の中に取り入れています。言い換えれば環境を整えることで、子どもは本来持つ能力を充分に発揮することができます。

周りの大人も環境の一部だということを忘れないようにしましょう。

子どもの感覚を刺激すること

子どもは五感を使って自ら学んでいきます。それぞれの感覚器官を刺激し、洗練することで、大きな学びへとつながっていきます。

感覚教育はモンテッソーリ教育の基礎となります。

モンテッソーリ教育の4領域

1.日常生活の練習

子どもは、家庭で大人がしている日常の活動をよく見ています。　そして「自分もやりたい」と思っているのです。
子どもの家では、子どもサイズを準備し、分かりやすくした日常生活の活動を用意しています。これらの活動を通して、自信や自尊心の育ちを援助していきます。

2.言語教育

【ICクラス】
物の名前や話し言葉に興味を持ち始めた子どもたちの、「話したい！」という欲求に応えるために、魅力的な言語教材を用意しています。

【プライマリークラス】
書くことや文字への興味が湧いてくる時期。ひとりで書いたり読んだりが自由にできるように環境を準備しております。

3.感覚教育・文化教育

視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚を刺激する様々な教具があります。子どもが最後まで自ら学べる教具です。

モンテッソーリ女史は、まだ差別や偏見を持っていない幼い子ども達に、できるだけ多くの異文化に触れさせることが豊かな人格を形成するのに大切だと考えていました。
世界には様々な民族、文化、言語が存在する事をまなび、世界的な視野を持つ人間の心の育成を目指しています。

4.数教育　文化教育

数教育は生活の中で、こども達はお菓子を数えたり、人数分の食器を並べたりと、数に触れる機会が多くあります。

モンテッソーリの数教育では、教具を使って量と数字を知ることから始まり、十進法の概念や計算など、その後の数教育の学びの基礎となります。

モンテッソーリクラスの中での英語教育

久我山こどもの家のエレメンタリークラスでは、先生のご厚意により「モンテッソーリ教育での英語教育の在り方」コミュニケーションの手段としての英語を、クラスの中で取り入れております。

エレメンタリークラスとプライマリークラスは自由に行き来することができます。

【モンテッソーリクラスの English Immersion Program】

モンテッソーリ教育の外国語教育は「浸る」という意味のある、”Immersion” というスタイルで行います。子どもたちが英語を自然な形で身につけることを目的にしています。

　子ども達が言葉を獲得するためには。。。

・初めは信頼できる人からたくさんの言葉を聞くことから始まります。

・たくさん聞くうちに頭の中で言葉が整理され、自ら話すことへと繋がっていきます。

　話すためには、口や舌などの使い方（発音）も見よう見まねで練習します。

・話して伝えている言葉を、書いて伝えたいという気持ちがうまれます。書くことができると

　読むことも楽しくなります。

・読み書きをよりよくするための手助けとなるのが文法や文章構文です。

　英語をコミュニケーションの手段と考えています。久我山こどもの家のエレメンタリークラスでは英語を話す先生との関わりや、実際の活動を通して、子ども達が英語を使う状況がうまれます。先生が教え生徒は学ぶ、という一方的な関係ではなく、生活や活動の中で、「コミュニケーションのツール」として対話的に英語を学ぶ環境をクラスの中に整えています。

＜English Immersion Programの3つのポイント＞

英語を話す環境を整える

まず、英語を話す環境を整えることが大切です。そのため、クラスでは、英語を話す教師が、子どもたちと英語でコミュニケーションをとっています。また、先生同士が英語で話す場面も子ども達は聞いています。教室内には英語で書かれた教材や本があり、色々な学習で英語に触れることができます。

子どもの興味・関心を大切にする

子どもは、自分の興味・関心のあることに自然と集中し、意欲的に取り組みます。そのため、クラスでは、子どもの興味・関心を大切にしながら英語を学ぶ機会を提供しています。例えば、子どもたちが好きな絵本や歌を英語で紹介したり、子どもたちが興味を持っているテーマについて英語で行う活動を取り入れています。

子どもの自主性を尊重する

子どもは、自分のペースで学びたいものです。そのため、クラスでは、子どもの自主性を尊重しながら、英語を学べる環境を整えています。子どもが興味を持った活動を自由に選べるようにしていたり、子どもが自分のペースで英語を学べるようにサポートしています。

モンテッソーリクラスのEnglish Immersion Programは、子どもたちが英語を話す環境に身を置き、子どもの興味・関心を大切にし、子どもの自主性を尊重しながら、英語を学ぶ機会を提供することで、子どもたちは英語という言語の必要性と楽しさを感じることができます。

講師　 Jennifer Toews-Shimizu　（ジェニファー・テイヴス・清水）先生　

カナダ出身。現在大学講師をしながら、久我山こどもの家エレメンタリークラスで、English Immersion Programを担当してくださっています。20 年以上の英語教育の経験があり、カナダと日本の２カ国で、小学校から大学までの幅広い分野での言語教育のプログラムとカリキュラムを専門とし、若い学習者のためのテスト方法、生徒のモチベーション、OER（オープン教育資源）、教師の専門能力開発に関する研究のほか、教育者間のピアラーニングをサポートするプラットフォームを開設しています。家庭では、３人の小学生のお母さん。